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2017年9月の山田くんの養蜂日記

西洋蜜蜂 秋のダニ検査開始 2017年9月30日

作業内容:見回り、内検

子供にもらった風邪が長引き、やっと完治したので昨日から秋のダニの検査を開始し、今日もダニの検査です。

検査の流れは、貯蜜量の確認(巣箱の重さから)→粉砂糖法→必要な場合な薬の投与→代用花粉の投与です。1日の目標は20箱で、全箱の検査を終えるのに2週間かかります。

越冬前のもっとも重要な作業。気合と魂込めてやり切ります!!

今の所ですが、寄生率の危険値(数値は高くない)な群が非常に多いです。働き蜂の様子、産卵状況、寄生率から判断して、寄生が拡大し始める段階なので薬が効けが問題無く越冬できそうです。

検査は非常に重要です。下記2枚の写真を見て下さい。片方が寄生率が危険値で、もう片方は安全値の群の産卵状況を表しています。



↑写真1



↑写真2


どちらが寄生率が危険値の群でしょうか?






答えは、写真2です。



↑寄生率が危険値だった群の巣碑枠の様子。2階建ての群の1階の産卵スペースの巣碑枠。寄生率1.6%(安全値は1.5%)。産卵の状況は最高です。問題はこの有蓋蜂児の中にどれだけのダニがいるかです。


↑寄生率が安全値だった群の巣碑枠の様子。貯蜜量は少し不足気味ですが、産卵の状況は非常にいいです。

このようにダニの寄生は、目では分かりません。※寄生がもっと進めば目視できるようになりますが、そういった場合は壊滅寸前です。人は見たい物を見て、信じたい物を信じると言われるように、目は当てにならないのです。

検査をしないで時期になったら薬を投与するという考え方もありますが、蜜蜂に不要なダメージを与えたり、ダニが耐性を獲得する恐れが高くなることから賛成できません。


検査を終えたら給餌です。そろそろセイタカアワダチソウが開花しそうなので、その流蜜を考慮して砂糖水が必要かどうかを判断します。花粉は10月末までは10~14日に1度の頻度で与えます。



↑咲き始めたセイタカアワダチソウの様子。昨年は流蜜しなかったので、大量の給餌が必要になりました。今年は流蜜することを願っています。

以上で今日の作業は終了です。明日は蜂場見学にお越し頂きます。

西洋蜜蜂 ダニにやられた群の立て直し作業 2017年9月21日

作業内容:見回り、内検

気温が下がり、30度を超えなくなって来たので作業が非常に行いやすいです。蜂場ではダンギクが開花し蜜蜂が訪れていました。


↑開花したダンギクの様子。秋の貴重な蜜源。寒さに弱いため越冬が難しいです。そのため花壇にはカリオプテリスを植えました。カリオプテリスはダンギクとモンゴリカの交配品種で、寒さに強いそうです。

今日の最重要作業はダニにやられた群の立て直し作業です。

秋(外気温が30度以下)になると蜜蜂の行動が活発になり、夏の高温、蜜源の枯渇で失速していた勢いが回復し始めますが、勢いの回復には充分な餌と健康な働き蜂が必要です。

働き蜂の健康をもっとも害すのがダニです。今日はダニの寄生値が危険値になってしまった群の手入れを行いました。

アピスタンを投与し6週間が経過したのでまずは撤去からです。


↑アピスタン撤去前の巣箱内部の様子。蓋を開けた時に新聞紙を食い破り、代用花粉を食べきっている群は高確率でダニの駆除に成功しています。餌、特に砂糖水を食べ残している群は、ダニの駆除に失敗したか、ダニの駆除には成功したがウイルスに侵されてしまっていて、助かる確率はかなり低いです。

薬を撤去する時に産卵の状況を確認します。


↑若干産卵がまばらですが、円を描くように産卵しているので問題ありません。

産卵の状況と一緒に巣碑枠の枚数と働き蜂の密度も確認します。巣碑枠の枚数が5枚未満の場合は、5枚になるように、5枚以上でも働き蜂の密度が低い場合は、有蓋蜂児枠を追加する必要があります。※作業は後日行います。

産卵の様子を確認する時に、粉砂糖法でダニの寄生率を確認する必要がありますが、越冬前の検査をもう少ししたら行うので今回は省略しました。

最後に代用花粉を与えます。以上が作業の様子です。本日作業した群の一部は蜂児枠の追加が必要ですが、全群助かりそうです。

※補足:ダニの死骸で巣箱が汚れている場合は、掃除をするか綺麗な物と交換します。


↑巣箱の底に溜まったダニの死骸の様子。これだけの数のダニに寄生されていたので駆除後もウイルスが残ってしまう場合があります。全群を助けることはできないので、全滅した群は淘汰されたと考えるようにしています。

明日は草刈!!

不定期開催お便りコーナー!!
Q:巣門の前を沢山の働き蜂が歩き回っています。ダニだと考えています。ダニの薬を投与すれば、助かりますか?


A:助からない場合もあります。ウイルスが蔓延してしまっている場合や、寄生率が高すぎる場合などは助かりません。

ミツバチ 台風の後の見回り 2017年9月18日

作業内容:見回り

台風が過ぎ去りました。蜜蜂が無事か確認しながら、オオスズメバチの襲撃に備え3回見回りを行いました。

過去には台風の強風で巣箱が倒れたり、蓋が開いてしまうことがありましたが、今回は被害を受けることなく終わりました。本当に有難いです。

気温が上がると蜜蜂がいっせいに飛び回り始め、蜂場は羽音で満ち溢れ、その中で秋の匂いのする風に吹かれていると、とても幸せな気持ちになります。



↑活発に行動する蜜蜂の様子。

このまま蜂場で蜜蜂の様子を見ていたいのですが、オオスズメバチから蜜蜂を守るための見回りが待っています。

高頻度で見回りをしましたが3箱が襲われた後で、1箱は大ダメージ、2箱が中ダメージを受けてしまいました。オオスズメバチは命懸け、私は生活をかけての戦いです。蜜蜂を守るために最善を尽くしますが、ある程度被害は出てしまいます。

これからは、越冬に向けての餌やり、巣碑枠の整理や移動、ダニの検査などの作業が待っていますが、今年はそれに加え高頻度での見回りと、ダメージを受けた群の立て直し作業が加わるため例年よりもハードになりそうです。気持ちにゆとりを持って1日1日を楽しみたいと考えています。

西洋蜜蜂 2回目の給餌終了 巣箱 交換 2017年9月13日

作業内容:見回り、給餌、巣箱交換


やっと雨が上がりました。キバナコスモス、カラミンサ、ハナシキブなどに蜜蜂が訪れていました。



↑ハナシキブに訪れる蜜蜂の様子。



↑ハナシキブの間隔が広すぎたので、追加で苗を購入し植えました。来年が楽しみです。


雨上がりはオオスズメバチの襲撃が激しくなることが多いので今日は朝、昼、晩の3回見回りました。

今年はオオスズメバチの数が多い上に、しつこく、しぶとく、時間関係無しで襲撃に来るため、高頻度の見回りが欠かせません。多い時は1日に3~4km歩きます。

今日の主な作業は給餌で、今日で全ての箱に2回目の代用花粉を与えられました。


↑調子がよい群の様子。新聞紙を食い破り、餌を食べ切っています。

私は巣碑枠の上に新聞紙を敷いています。新聞紙は蜜蜂が、健康かどうかを判断するために非常に重要です。何らかの問題(特にダニ)を抱えている群は新聞紙は食い破りません。

巣箱の重さから貯蜜量を推測、新聞紙の状態、餌の食べ具合から蜜蜂が健康かどうかを判断し、問題無い場合は、代用花粉を与え新聞紙を交換し作業は終了です。1箱5分です。

貯蜜量が充分かどうか判断が付かない場合は、巣碑枠の様子を確認します。

↑産卵スペースの巣碑枠の様子。貯蜜量は充分ではないですが、流蜜していて産卵圏に貯蜜され始めているので、このまま様子を見る事にしました。

代用花粉を与えならがら巣箱のサイズを交換する作業も行いました。



↑7枚箱満群。自然巣が作られたので10枚箱へと交換しました。


↑巣箱交換時には、女王蜂の有無と産卵状況を必ず確認します。貯蜜量、産卵状況ともに非常に良いですが、この群は来春出荷できません。理由は女王蜂です。


↑この群の女王蜂の様子。左後ろ足が曲がりません。交尾飛行の時に事故にあったようです。足が欠けると働き蜂に殺されてしまうので、曲がらいだけで済んだのは不幸中の幸いです。来年は親として大切に育てます。


↑10枚箱に交換し、代用花粉を与えた巣箱内部の様子。

全ての群がこのように順調ではありません。7~8月に実施したダニの検査に合格したのに、ダニの被害が一気に拡大してしまった群が数箱ありました。

ダニの被害が拡大してしまった群は、巣碑枠の整理を行い、巣箱の交換を行いダニの薬を投与しました。ダニ対策を昨年よりも入念に行っているので今の所、ダニで全滅は7箱と非常に調子がよいです。この調子が維持できるようにこれからも頑張ります。

西洋蜜蜂 ヌルデ開花 給餌&合同準備 2017年9月9日

作業内容:見回り、給餌、合同

ヌルデが開始、蜜蜂が訪れていました。蜜源枯渇もそろそろ解消されそうです。


↑開花したヌルデの様子。

今日の作業は主に3つ。見回り、給餌、合同(準備)です、

合同(準備の様子)を紹介します。ダニの寄生の影響で大きく失速してしまった2群を立て直すため、健康な群から働き蜂のついた蜂児枠を2枚貰いました。


↑胴体(継箱)を外した健康群の様子。1階と2階の間に雄蜂児が作られ、外すのに一苦労。雄蜂児には少しですが、ダニが寄生していました。


↑雄の蛹に寄生するダニの様子。数的に問題なさそうです。越冬前のダニの検査を9月25日頃から行う予定があることもあり、このまま様子を見ます。

蜂児枠の入った巣箱を合同させる群がいる蜂場に移動し、巣箱の上に置き巣門を開放。合同は明日行います。

今日の作業は以上です。

西洋蜜蜂 餌を食べ残した場合の対処法 2017年9月5日

作業内容:見回り、給餌

今日も給餌(代用花粉を与えることが主の目的)です。給餌でもっとも重要なのが、餌の食べ具合の確認です。


↑代用花粉を綺麗に食べきった群の様子。食べ残している場合は、ダニの寄生の影響を受けている恐れがあるので、全ての巣碑枠の様子を確認します。

餌を食べ残している場合に確認する4つのポイント!!

①女王蜂の有無。女王蜂の存在を確認します。無王になると餌を食べ残すことがあります。


↑異常を感じた場合は必ず女王蜂の有無を確認します。

②産卵の状況。産卵が止まっていると餌を食べ残す場合があります。

③働き蜂の様子。奇形がいないか、羽化不全はいないか、ダニを体に付けていないかなどを確認します。

④ダニの寄生率の確認。前回の検査よりも1ヶ月以上経過している場合は、必ず粉砂糖法でダニの寄生率を確認します。

以上がポイントの説明です。今日は50箱内検を行い1箱餌を残していました。後日ダニの検査を行います。

給餌を終えた後は、粘着シートの交換です。古くなり粘着力が落ちた物や、大スズメバチが沢山かかった物を回収し、新しい物へと交換しました。


↑交換した粘着シートの様子。オオスズメバチ以外にもコーロギ、バッタ、アブ、トカゲなどがかかります。希に鳥がかかることがあり、処理が大変なことがあります。


↑交換した新しいシートに早速かかったオオスズメバチの様子。新しいシートには古いシートから囮となるオオスズメバチを付けます。

粘着シートの交換作業と同時に捕殺部分の掃除も行いました。


↑掃除前の捕殺部分の様子。捕殺部分に入ったオオスズメバチと蜜蜂が戦い犠牲が出てしまいました。


↑掃除後の様子。山田くんの巣箱専用の捕殺器は前面が開くので掃除が楽です。

色々な捕殺器を使いましたが、蜜蜂の犠牲が全くでない物は無かったです。オオスズメバチの命を奪うので、こちらも幾分の犠牲は仕方ありません。

以上が本日の作業です。本日の作業中に珍しい2母を見つけました。2母とは1つの群に2匹の女王蜂が存在することです。


↑2匹の女王蜂が居ます。分かりますか?


↑赤丸が女王蜂です。画面向かって左上は産卵中です。右の女王蜂はお尻が短く、未交尾に見えますが、お尻に卵を付けていました。

2母はそのまま越冬することはなく、秋の終わりに決闘し1母になります。そのためもう少ししたら1母を無王群を作って導入します。

西洋蜜蜂 巣碑枠の移動 2017年9月3日

作業内容:見回り、巣碑枠の移動、草刈

夏風邪をひいてしまい、思ったように作業できない日々が続いています。全蜂場の見回りと最重要作業だけはこなすようにしています。

花壇の花式部が開花しました。


↑開花した花式部の様子。蜂の姿は見当たりません。

今日の最重要作業は、巣碑枠の移動です。先日のメールマガジンでお話しましたが、そろそろ越冬を見据えた作業を行う必要があり、巣碑枠の移動がその1つです。今日は有蓋蜂児枠を働き蜂の数が少ない群へと移動させました。


↑巣碑枠を移動させる前の巣箱内部の様子。4枚充群です。越冬を考えると最小でも5枚充群にはしたいです。巣碑枠の移動にはダニ、病気などのリスクがあるため、移動させなくていいように飼育するのが一番ですが、思ったようには行きません。


↑移動させた有蓋蜂児枠の様子。巣碑枠を移動させる時は、産卵の状況を見ながら、無蓋蜂児枠を働き蜂ごと移動(合同)させた方がいいのか、それとも蓋蜂児枠だけを移動させた方がいいのかを判断します。有蓋蜂児枠のみを移動させる場合は、移動先の巣箱内部の温度低下を防ぐため枚数は1枚のみとしています。


↑有蓋蜂児枠を追加した後の巣箱内部の様子。指で示しているのが追加した枠です。追加する位置も非常に重要で、起点の反対側の産卵スペースの貯蜜スペースの堺が基本となります。今回は一番外まで産卵がしてあったことと、働き蜂の数が充分いたので一番外側に追加しました。

以上が作業の様子です。明日は第2回目の代用花粉投与作業を行う予定です。

不定期開催お便りコーナー!!
Q:保存してある蜜枠があります。絞るのが大変なので、蜂場に置いて蜂に食べさせてもいいでしょうか?

A:8月以降はお勧めしません。蜜源が枯渇し、飢えているので蜜枠で非常に激し競争が起きます。その結果、巣碑枠に穴が開いてしまい使い物にならなくなります。


↑蜜枠を蜂場に設置して、餌として与えている様子。巣碑枠の使用年数が3年を経過していて穴が開いても問題ない場合は与えましょう。

※穴が開く以外にも、病気、ダニの蔓延、喧嘩による死亡、スズメバチが群がるなどの様々な問題があります。蜜枠は分割板を活用し、巣箱内部で与えるのがお勧めです。





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