山田くんの養蜂講座第5回:分蜂とは


養蜂(西洋蜜蜂の飼育の仕方)講座第5回では、蜜蜂の巣別れ分蜂に関してお話します。4~7月は蜜蜂の巣別れ分蜂が起きます。分蜂が起きると蜂蜜の収穫量が大きく減り、場合によっては無王群となってしまいます。そのため分蜂が起きないように内検することが非常に重要です。分蜂に関して説明します。

1、分蜂とは
分蜂とは巣の半分程の数の働き蜂と女王蜂が巣を出る現象です。働き蜂の数が増え、巣に充分な蜜が貯蔵され女王蜂の産卵スペースが無くなると巣の半分程度の働き蜂と女王蜂は新天地を探し巣を出ます。

分蜂する時に新天地での生活に備えお腹いっぱいに蜜を蓄えるため巣箱の蜜の貯蜜量は大きく減ってしまいます。

2、分蜂の発生
分蜂は4~7月に発生します。※地域や流蜜などの状況によっては8~9月も分蜂が起きることがあります。

気温が高く、晴れた日のお昼前後に起きやすいですが、小雨が降っている時などにも起きることがあります。

分蜂する日は巣門を出入りする働き蜂が極端に少なくなり、異常な静けさが漂います。次第に巣門に蜂が満ち溢れ、ついには数千匹の働き蜂が巣門から溢れ出て巣箱の上空を円形になって乱舞し始めます。


↑巣箱から飛び出し始めた蜜蜂の様子


↑巣箱の上を乱舞する蜜蜂の様子

しばらく乱舞した後、付近の木の枝などに密集してとまり球状(蜂球)になります。球状の時間はおおよそ2時間から半日程で、その後飛び去っていきます。


↑コブシにできた蜂球の様子


↑蜂球のアップ

蜂球を作ると敵に見つからないように音を立てず静かにしているので蜂球になった蜜蜂を見つけるのは難しいです。そのため4~7月の間は毎日の見回りを欠かすことができません。

3、分蜂の回収方法
分蜂が起きたら元の巣箱から蜜枠を1~2枚抜き、新しい巣箱の中に入れその中に分蜂群を回収します。

蜂球が低い場所に作られた場合は巣箱の中に直接回収します。

蜂球が高い場所に作られた場合は蜂球をタモなどに回収してから巣箱の中に入れます。

全ての蜜蜂を回収する必要なく女王蜂さえ回収できれば働き蜂は巣箱の中に入ります。


↑回収したばかりの働き蜂の様子



↑巣箱の中に入る働き蜂の様子

以上が分蜂の説明です。