山田くんの養蜂講座33回 11月の飼育のポイント①冬囲い


山田くんの養蜂講座、第33回では、11月の飼育のポイント1:冬囲いの行い方を紹介します。

11月になり外気温が低くなるにつれ、女王蜂の産卵は鈍くなり働き蜂の数が減ります。外気温が12度以下になると体温の低下を防ぐ巣箱の中央付近に集まり蜂球を作ります。蜂球が作られると越冬開始です。越冬に成功するために欠かせない2つのポイントがあります。

ポイント1:冬囲い
ポイント2:巣箱の交換

以上がポイントです。今回はポイント1:冬囲いに関して説明します。

冬囲いのタイミング、断熱材の選び方などを具体的に紹介します。

冬囲いの必要性に関して
蜜蜂は耐寒性がとても強いので、最低気温がー10度以下にならない場合は、冬囲いは不要だと考えています。昨年2020年から始めたばかりですが、冬囲い無しで越冬しましたが、全く問題なかったです。弊社蜂場よりも寒い地域で冬囲いなしで問題ないという養蜂家もいます。-10度以下になる場合は冬囲いをしましょう。

ポイント①タイミング
最高気温が12度を下回り始めたらり巣箱の温度の低下を防ぐため巣箱を断熱材で囲います。

ポイント断熱材の素材の選び方
巣箱が濡れると巣箱内部の湿度が上がり蜜蜂にダメージを与えるため耐水性のある物を選びましょう。ビニール系の素材もしくは、ダンボール(耐水対策が必要)などがよく使われます。

私は以前は、ビニールハウス用の断熱材「エコポカプチ」の使用していました。エコポカプチを2重にして巣箱の形に加工して上から被せます。


断熱材を巻きつけた巣箱の様子。

エコポカプチは半透明なのでで巣箱に光が当たり、晴れた日は巣箱の温度が上がり寒さから蜜蜂を守ります。また、脱着も容易です。

ポイント③断熱材の取り付けのポイント
蜜蜂は冬の間も巣箱の外に出かけることがあるので、断熱材で巣門を塞がないように気をつけましょう。

※エコポカプチを使用する場合の注意点
エコポカプチは半透明なため巣箱とエコポカプチに隙間ができると蜜蜂が迷い込んで死んでしまいます。エコポカプチを使う場合は隙間ができないように加工、取り付けをすることが重要です。

以上が冬囲いの説明です。

※地域によっては今回紹介した断熱材では不十分な場合はあります。寒さが厳しい地域では、倉庫の中などに取り入れたり、巣箱を藁で囲い、さらにその藁ごと発泡スチロールで囲うなどの対策が必要です。また-20度を下回る地域では露地での越冬できない恐れがあります。

2021年10月30日改編