山田くんの養蜂講座 追加2021年6月 越夏に備えて


蜜蜂にとって1年でもっとも過酷なのが夏(7~9月の間)です。6月以降は気温が上がり、蜜源植物も少なくなるため、女王蜂の産卵と働き蜂の活動鈍くなり、勢いが徐々に失速していきます。また6月以降はダニの被害が拡大しやすいです。

このように6月以降は蜜蜂にとって非常に厳しい季節となります。厳しい季節を乗り越えるために6月中に蜜蜂を健康な状態に整えることが重要です。健康な状態に整えるための3つのポイントを紹介します。

ポイント①産卵スペースの確保

流蜜が太過ぎると産卵スペースが圧迫される場合があります。産卵スペースが圧迫されると分蜂熱が生じやすくなります。また、働き蜂の絶対数が少なくなってしまいます。さらにダニの寄生率も高くなります。


↑理想的な状態の巣碑枠の様子。表面積の25%前後に貯蜜されているのが理想と言われている。産卵スペースが圧迫された場合は、採蜜を行い産卵スペースを確保する。蜜枠が複数枚ある場合は、空巣碑枠と交換するなどし産卵スペースを確保します。


↑蜜枠の様子。蜜蓋がされた物は冬の餌として、蜜蓋がされていない物は夏の餌として活用する。蓋がされていないと糖度が低く夏の気温が高い時に発行する恐れがあるので注意が必要。

ポイント②ダニ対策

6月以降はダニの被害がもっとも拡大しやすいです。雄房の駆除を徹底するとともに、粉砂糖法などでダニの寄生率を常に観察し、早め早めにダニの駆除を行いましょう。

ポイント③働き蜂の数

来春を見据え5枚群以上で6月末を迎えることを推奨しています。こまめに餌をあたえましょう。どうしても5枚群に届かない場合は、健康群から蜂児枠を分けてもらいましょう。

21年6月2日改編