山田くんの養蜂講座21回 ダニの基礎知識
山田くんの養蜂講座第21章ではダニの基礎知識を紹介します。6月以降は特にダニの被害が拡大しやすいです。ダニとは何でしょうか?ダニから蜜蜂を守るためには何が必要でしょうか?ダニの基礎知識を紹介します。
近年の養蜂でもっとも問題になっているのがミツバチヘギイタダニ(以下ダニ)です。
①ダニとは
ダニは長さ1mm、幅2mm程のアズキ色の楕円形をしています。ダニは働き蜂のお腹側に寄生することが多く目視で見つけるのは非常に難しいです。
②ダニの問題点
問題点1:ウイルスの蔓延
ダニは蜜蜂の脂肪体を食べます。その結果、免疫システムの障害などを起こします。免疫システムの障害が起きると、それまで潜伏していながら、症状を示していなかったウイルス病、たとえば急性・慢性の麻痺病などを引き起こしてしまいます。また、脂肪体を食べられると働き蜂は短命化すると言われています。
ダニは幼蜂のいる封蓋をされた巣房でのみ成長(変態及び産卵)します。ダニに寄生されると働き蜂の羽が縮れたり、体が小さくなるなどします。また、多くのダニに寄生されると蜂児は死んでしまいます(羽化不全)。
↑ダニに寄生され羽の縮れた働き蜂の様子
↑羽化不全を起こした巣碑枠の様子。
問題点2:他の病気
ダニの寄生によって急速に働き蜂の数が減ると、巣内の清掃活動が鈍り、適温を保つことも難しくなり、チョーク病などの発生を招く原因にもなります。
以上がダニの問題点です。
③ダニの寄生の確認方法
ダニの寄生の確認方法は2つです。粉砂糖法と雄の有蓋蜂児を取り出す方法です。粉砂糖法は蜜蜂を密閉空間に閉じ込め粉砂糖をふりかけ体に寄生しているダニの数を確認します。雄の有蓋蜂児を取り出す方法では、蓋がされた雄の蛹を取り出しその中のダニの数を数えます。
④ダニの対策
ダニの対策方法は大きく分けて2つです。薬の投与と物理的な除去です。※対策に関しては他の講座で詳しく説明します。
以上が基礎知識です。