山田くんの養蜂講座第39回 2月の飼育のポイント②貯蜜

山田くんの養蜂講座第38回では、冬の建勢のポイント②貯蜜に関して詳しく説明します。

1月中旬から2月下旬と地域差はありますが、女王蜂が産卵を再開してから蜜蜂が自然巣を作り出すまでの期間を冬の建勢と呼んでいます。

女王蜂の産卵が再開されると、徐々に働き蜂の数が増え始め、冬の蜜源の枯渇、低温で失速していたいがて直されます。冬の建勢で夏までの蜜蜂の状態が決まると言われる程非常に重要です。冬の建勢のポイントは2つあります。花粉と貯蜜です。今回は貯蜜に関して説明します。

冬の建勢のポイント②『貯蜜』
子育てをスムーズに行うためは巣箱内分の温度を上昇させる必要があります。産卵が停止している時の蜂球の温度は20度前後ですが、産卵が再開されると30~35度まで上昇します。そのため蜂蜜の消費量が増えます。また、蜂蜜と花粉は子育ての餌としても消費されます。

このように産卵が再開されると蜂蜜の消費量が一気に増えるので餓死の危険性が非常に高くなります。餓死を防ぐためのポイントを3つ紹介します。

①こまめな見回り
7~10日に1度は見回りを行い、貯蜜量を巣箱の重さから推測します。軽くなり始めたら直ぐに餌を与えます。

②蜜枠との交換
巣箱が軽くなり始めたら直ぐに給餌が必要になりますが、2月は気温が低く、砂糖水は食べられない場合があります。そのため、蜜枠を保存している場合は、貯蜜量が少なくなった巣碑枠と交換します。蜜枠が無い場合は、砂糖水を1kg前後与えます。

③作業の注意点
注意点1、気温
気温が低い(12度以下の)時に巣箱を開けると、巣箱内部の温度が下がり蜜蜂にダメージを与えてしまう恐れがあります。蜜蜂に不要なストレスを与えたいため、作業は気温が12度を目安にし、素早く行いましょう。

注意点2、盗蜜
2月は蜜源源が枯渇しているので盗蜜が起きやすいです。弱群に砂糖水を与える場合は、一晩で飲み干せる量にしましょう。

以上が貯蜜に関する説明です。

補足:キャンディ
気温が低い冬は、巣箱を開けるのが困難な場合があります。また与えた砂糖水が凍ってしまったり、働き蜂が寒さで動けず食べられない場合があり餓死してしまうことがあります。このような場合に備え、貯蜜量が少ない群には保存食としてキャンディを与えます。


砂糖1kgに水100mLを加え加熱し、沸騰したら酢を2ml入れ、黄金色になるまで煮詰めます。黄金色になったら型に薄くサラダ油を塗ったアルミホイルを敷いて入れます。冷めて固くなれば完成です。完成したキャンディーは巣碑枠の上に置いて与えます。
※養蜂マニュアルより引用。

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