山田くんの養蜂講座 第42回 3月の飼育のポイント 春のダニ検査

山田くんの養蜂講座第56回では、春のダニ検査に関してお話をします。

3月は春の建勢の時期です。3月になると最高気温が12度以上になり、長く厳しい冬が終わります。梅、花桃、桜、ヒサカキなどが様々な蜜源植物が開花し、蜜源の枯渇も解消され、女王蜂の産卵はさらに活発になります。また働き蜂の数も増え始めるので建勢がさらに進みます。このように3月は、4月からの増勢に入る直前の非常に重要な時期です。春の建勢の2つの重要なポイントを紹介します。

ポイント①産卵の再開の確認
ポイント②春のダニの寄生率の確認


以上です。今回は、ポイント②春のダニの検査に関して詳しく解説します。

ダニの検査は年3回行うのが基本です。春の建勢時、採蜜後、越冬に入る前です。今回は、春の建勢時のダニの検査に関してお話します。

春の建勢が始まると、巣箱内部の温度が上がり、産卵が再開されるためダニが繁殖しやすい環境になります。この時期にダニの寄生率の確認及び、対策を施さないと、7~8月頃までには全滅してしまいます。以上のことから、気温が12度以上の温かい日に粉砂糖法でダニの寄生率を確認しましょう。

私は、蜜蜂への負担を考え、産卵がある程度進み群に勢いが出始める3月初旬から上旬に検査を行うようにしています。


↑群に勢いが出てくると新聞紙を食い破ります。新聞紙が食い破られた群から順番に検査を行います。


↑春のダニの検査を終えた働き蜂の様子。越冬に入る前にしっかりとダニの駆除を行っていれば、高い寄生率になることは少ないです。

寄生が危険値に達していないのにダニの駆除剤と投与すると蜜蜂に不要なストレスを与えます。近年女王蜂の短命化という問題が起きていますが、その原因の1つがダニの駆除剤の影響だと考えられています。必ず寄生率を確認して、寄生率が危険値の場合に薬を投与しましょう。

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