山田くんの養蜂講座 第28章 9月の飼育のポイント 秋の巣碑枠の整理

山田くんの養蜂講座(西洋蜜蜂の育て方)第28章では、9月の飼育のポイント2巣碑枠の整理に関して説明します。

9月になり外気温が30度を下回り始めると女王蜂の産卵は活発になり働き蜂の数が増え始めます。9月以降に生まれる働き蜂は越冬に関係する非常に重要な働き蜂(ウインタービーと呼ばれる)です。そのため9月になったら女王蜂が子育てをしやすい環境を作る事がとても大切です。環境作りのためのポイントは3つあります。今回は環境作りの2つ目のポイントである巣碑枠の整理に関してお話します。


8月になり外気温が30度を超えると女王蜂の産卵は鈍くなり始め、35度を超えると産卵が停止してしまう場合があります。その結果働き蜂の数が減り、働き蜂の付いていない巣碑枠や働き蜂の密度が低く産卵がされていない巣碑枠が出てきます。


↑取り出す対象となる巣碑枠の様子。産卵が行われず蜜だけが貯蔵され働き蜂の数はまばら。

こういった巣碑枠は巣箱から取り出します。取り出す事で巣碑枠1枚辺りの働き蜂の密度が上がり女王蜂が産卵しやすい環境になります。

※取り出した巣碑枠に薄い蜜(蜜蓋がされていない蜜)がある場合は絞ります。巣碑枠を巣箱の近くに置いて掃除してもらう方法もありますが蜜源が枯渇している場合は、巣碑枠に穴を開けることがあることや、ダニ、病気の蔓延の原因になる恐れがあることからお勧めしていません。

※取り出した巣碑枠には巣虫の卵が産み付けてある恐れがあります。巣虫による侵食被害を防ぐため保存前にはB401(微生物の濃縮液)の処理をお勧めしています。B401の希釈液を巣碑枠にかけ室内の日陰で乾燥させた後、ビニール袋などの中に入れ保存します。

本講座記載日 2016年9月2日