山田くんの養蜂講座 第27章 9月の飼育のポイント 給餌


山田くんの養蜂講座(西洋蜜蜂の育て方)第27章では、9月の飼育のポイント給餌に関して説明します。

9月になり外気温が30度を下回り始めると女王蜂の産卵は活発になり働き蜂の数が増え始めます。9月以降に生まれる働き蜂は越冬に関係する非常に重要な働き蜂です。そのため9月になったら女王蜂が子育てをしやすい環境を作る事がとても大切です。環境を作るためには3つのポイントがありますが今回は環境作りの1つ目のポイントになる給餌に関してお話します。


子育てを行いやすい環境に欠かせないのがタンパ源です。蜜蜂のタンパク源は花粉です。9月になるとコスモスなどの花粉源となる蜜源植物が開花しますが、花粉は不足する傾向にあります。9月になったら7~10日1度の頻度で花粉または代用花粉を50~100g与えましょう。


↑食べきった代用花粉の様子。健康な群はほとんど食べ残すことはありません。

※1:産卵と花粉に関して
9月になり気温が下がり始めたにも関わらず産卵が鈍い場合があります。そういった場合は巣箱に花粉が持ち込まれているか、または巣箱に花粉が貯蔵されているのか確認して下さい。


↑花粉を巣箱に運ぶ込む蜜蜂の様子。


↑充分な花粉が貯蔵された花粉枠。

花粉源がない場合は産卵は活発にならない場合があります。コスモスなど花粉源となる蜜源植物を育てましょう。また花粉を与え産卵を促しましょう。

※2:貯蜜量に関して
9月も8月同様、砂糖水を与える目的は貯蜜量の維持です。貯蜜量が減り始めたら直ぐに砂糖水を与え貯蜜量を維持し餌切れにならないように気をつけましょう。餌切れ(蜜切れ)を起こすと蜜蜂は一気に疲弊してしまい回復するまでに時間がかかります。

※3:秋の大量流蜜
アレチウリ、そばなどがある場合は大量流蜜が起きます。カーニオラン系は産卵圏が圧迫されないように上手く新しい巣を盛りますが、イタリアン系は産卵圏に蜜を溜め込む傾向があるので、そのままにしておくと産卵に支障が出ます。産卵圏の圧迫が起きた場合は採蜜し産卵スペースを確保しましょう。

本講座記載日2016年9月2日