山田くんの養蜂講座25章 大スズメバチの基礎知識


山田くんの養蜂講座第25章では、夏、秋に蜜蜂を全滅に追い込むスズメバチの基礎知識を紹介します。

スズメバチには色々な種類がいます。

体が黄色い黄色スズメバチ(通称アカバチ)、大スズメバチの半分程の大きさの小型スズメバチ、大スズメバチによく似ているモンスズメバチ、蜜蜂を数時間で全滅させてしまう大スズメバチなどです。

蜂場でよくみかけるのが黄色スズメバチと大スズメバチです。

黄色スズメバチなどは巣門の近くでホバーリングし、1匹づつ捕獲し巣に持ち帰るため蜜蜂に甚大な被害を与えることは稀です。

一方、大スズメバチは大群で蜜蜂を襲い、巣箱の中まで侵入し全ての働き蜂を殺し、蜂児や蜜などを巣に持って帰ります。


↑集団で蜜蜂を襲うオオスズメバチの様子。

西洋蜜蜂は巣を襲われても逃げる習性がないため、全滅するまで戦ってしまいます。日本蜜蜂は戦いが不利になると巣を放置して逃げる習性があるため、全滅をまぬかれる場合があります。

また日本ミツバチは大スズメバチを取り囲み蒸殺することができますが、西洋蜜蜂はできません。※西洋蜜蜂も大スズメバチを取り囲み殺しますが、大スズメバチのお腹を集団で圧迫することで窒息死させます。

大スズメバチの寿命は1年です。秋になると来年の新女王蜂が誕生します。そのため秋に巣がもっとも大きくなるため多くの餌が必要となります。大スズメバチの餌となる昆虫はお盆を過ぎる頃に少なくなり始めるため、お盆を過ぎる頃に蜜蜂を襲うようになります。

大スズメバチは効率よく質の高い餌を確保するため、強群から襲う傾向があるため大スズメバチに襲われると養蜂家の心理的ダメージも大きくなります。

以上が基礎知識の説明です。お盆が過ぎたら大スズメバチの対策を行なう必要があります。

次回講座で対策の行い方を紹介します